
-みちのく三人旅 福島編-
【第1話】
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この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
あくまでも作者の妄想が生み出した「葱太郎」によるフィクションとエンタメ、そして、
個人的な願望を好き勝手に盛り込んで作り上げた日常が舞台のお話です。
もしかしたら、知ったフリして平気で嘘付いている可能性もありますし、
到達しなかった人類の考えを遥かに超越した新たなる心理に触れるかも知れません。
が、何度も良いますが、この物語はフィクションです。大切なので二度言いました。
さて、突然の展開ではありますが、江戸を旅立ち東北一周に出た三人衆だったが、
一足先に出発した葱太郎ときゃさりんは福島県にて離れ離れに…
そして、ずっと降り続ける雨ですっかり足止めを食らっていたのだった
ちなみに山さんは所用があって後から合流する予定であるが、
そもそもこの豪雨ではなかなかに合流は困難なもので、
何とか雨宿りを兼ねて泊めて貰えたら幸いなものと葱太郎が駆け込んだ家は、
どうやら空き家だったようで、勝手に拝借して雨を凌ぐ事にしたものの、
二人との合流出来無い状況に、葱太郎が外の雨を眺めながら途方に暮れていると
突然、誰も居ないはずなのに裏方から物音がした
葱太郎:誰??

きゃさりん:あ、すみません
ちょっと旅の途中でこの雨にあってしまい、雨宿りをさせて頂きたく…え?
葱太郎:誰かと思ったら、きゃさりんか
本気で驚いたよ
なんせ、誰も居ない空き家だと信じ切っていたところに物音したら
そりゃあ、ビビるでしょ!
きゃさりん:同感です!私も空き家だと思って中に入ったら
人影が見えて、声がするし、やばい!家主が居たのかな?
って、めちゃくちゃ焦りましたよ
しかもそれがまた見た事ある人がいて驚かないわけが無いです
まあ、そうは言っても合流が出来て良かったです
偶然にも同じ場所に雨宿りをしに来た事で再び合流できた二人

葱太郎:うん、合流が出来て良かったよ
まあ、心配ではあったものの、この雨の中に探しに行くのは…
きゃさりん:え?はぐれてしまった後、探してくれていなかったんですか??
葱太郎:もちろん探してはいたよ、この部屋から外を見てさ
でもこの雨では外の景色もまともに見えないしねぇ…
ちょっと不満げなきゃさりん
何となく察した葱太郎
葱太郎:えっと、ごめんなさい
とりあえずは謝っておいた葱太郎だった

きゃさりん:それはそうと、福島の猪苗代に来てからはずっと雨続きじゃないですか
これって単なる異常気象なんですかね?
葱太郎:それはずっと疑問に思っていたんだ
途中、快晴のところもあったし、雨が降ってもこんな豪雨ではなかったし
そう、二人が福島県は猪苗代に到達すると、不思議なまでの豪雨に遭遇し、
あらゆる手段で雨を凌ぎながら足を進めるも
雨は止むどころか、更に勢いを増すばかりだった…
その結果、視界の悪いこの状況下で離れ離れになったのであった
葱太郎:何よりも気になるのは、山奥ならまだしも、こんな町中にほど近い場所なのに
まだ一度として人と会っていないんだよね

葱太郎:さらに言うと、途中で見た田畑の様子からは誰かが手を加えた形跡がある
でも、どこの田畑も雨でダメになった野菜が放置され腐っている状態だった
きゃさりん:うん、それはここに来る途中で私も見ました
食物がこんなじゃ生活も大変だと思う、あ!そうそう!
何かを思い出したように荷物を入れた袋の中を覗き込んだきゃさりん

きゃさりん:あの…
私たちの食べ物も手持ちが心許ないので、このままだと一日持つかどうかなんで
何とか食料調達はしておきたいかも…
葱太郎:え?マジの話??
この家の中を探したけど、食料っぽいものは無かったしなぁ~
そしたら雨の中でも仕方がないから町に出て食料を調達するしかないな
きゃさりん:あと、食料もだけど、山さんとの合流もしないとですね!
葱太郎:確かに運良く雨宿りに来ましたって展開は流石に無いだろうし
まあ、暫くしたら雨も小降りなり、止むなりするかもだしな
もちろん、雨が止むのは期待薄だった

葱太郎:さて、そうと決まったら天気が落ち着くまで一眠りすっかな
きゃさりん:え~!ちょっと待って下さいよ!
一緒になって昼寝したら、山さんが通りかかっても気付けないし、
そもそも、私は眠くないので暇ですよ!
葱太郎:そんな事を言われてもねぇ…
床に大の字になると、いつでも寝れる体制となった葱太郎

きゃさりん:あ!そしたら何か福島に纏わる話を聞かせて下さいよ
葱太郎:福島に纏わる話?
何かあったかな?うーん…
きゃさりん:何なら、ここ猪苗代の話だとより良いですね!
あそこにある大きな山とか湖なんかは伝承とかありそうじゃないですか
そう言いながら寝転がっている葱太郎を無理やり起こして話をさせる事に

葱太郎:えっと、山は磐梯山、湖は猪苗代湖の事かな
あ!そしたら、その両方に纏わる話があるんで、その話をしようかね
きゃさりん:はい!お願いします!
葱太郎:そしたら、じゃあタイトルコールをお願いしますよ
きゃさりん:ちょっといつもと違った始まり方で違和感がありますが、
『ナニヌの葱太郎 みちのく三人旅 福島編』
始まります!!

ナニヌの葱太郎
<出演>
葱太郎/なまず
きゃさりん
明神様

みちのく三人旅 福島編
[第1話]

Presented By でこぼこ三人衆

大昔のこと、福島の磐梯山の辺りには、火山がいくつもあって、
そのため大変地震が多かった。
そして、その磐梯山の頂には明神様が住んでおられた。

この明神様、山の頂から遠くの山や海を眺めて、
のんびりと昼寝をするのが何よりも楽しみだった。
ところが度々地震が起きるものだから、昼寝をしていると、
注連縄を押さえている石が頭の上に落ちてくる。
明神様は、その度に頭にたんこぶを作って大層難儀していた。

困った明神様は、磐梯山のふもとの岩穴に住むナマズどんの所へ行った。
そして地震が起きる前に、自分に知らせに来てほしいと頼んだ。

さて、その次の日。地震を察知したナマズどんは、
飛び跳ねながら山の上の明神様の所に知らせに行った。
「明神さま~、明神さま~~、地震が来ま~す!!」
こうして、ナマズどんが知らせてくれたおかげで、
明神様は頭にこぶを作らずに済んだ。

それからというもの、小さな地震が来るたびに、
ナマズどんは明神様のところに走った。

ところが、
あんまりしょっちゅうナマズどんが地震じゃ地震じゃといって走ってくるので、
そのうち明神様は昼寝の邪魔をされてイライラしはじめた。
「お前と来たら、いつも大げさに地震じゃ地震じゃと知らせに来るが、
うるさくて昼寝もろくにできん!!
もっと大きい地震の時にだけ知らせれば良いんじゃ。」

明神様に叱られてしまったナマズどんは、
すごすごと山をくだり、自分の家に帰った。

そんなある日のこと、ナマズどんはまた地震を感知した。
明神様に知らせようとするも、前回明神様に叱られたことを思い出し、
今回は思いとどまることにした。

ところが、今回ばかりはいつもと様子が違っていた。
ナマズどんが寝ている地面は熱くなり、花を生けてある湧き水は枯れ、
とうとう蒸気まで噴き出したのだ。

ナマズはたまらず明神様の所へ知らせに走った。
「明神様大変だあ~!!えらいことが起きそうです!!」

ところが、またナマズが昼寝の邪魔をしに来たと思った明神様は、
「うるさい!!昼寝の邪魔ばっかりしおって。もう二度と来るな!!」こう言って、
ナマズのヒゲをつまみ上げ、猪苗代湖に放り投げてしまった。

ところがしばらくすると、明神様の寝ている地面がじわじわと熱くなり、
やがて地面が大きく揺れてはじめた。

そして、とうとう大音響と共に磐梯山が大噴火したのだ。
明神様は激しく飛び散る溶岩の中、命からがらふもとに逃れた。

やがて磐梯山の噴火は収まり、このことに懲りた明神様は、
ナマズにもう一度山の寝所に戻ってくれと頼んだが、
ナマズどんは首を縦には振らなかった。

ナマズどんを追い出した明神様は、大好きな昼寝もゆっくりとできず、
いつもこぶだらけ。

一方、洞穴の寝所を追われたナマズどんは、
広々とした猪苗代湖でのびのびと暮らしたそうな。

お終い

葱太郎&きゃさりん:ちょっと待ったぁ~!!

葱太郎:という事で、福島編の本編前の序章的なお話でしたが
皆さん、如何でしたでしょうか?
明神様なんて偉そうな名前の割りには居眠りが出来ない事で腹立てて、
ホントにどうしょうもない爺さんだったな
ナマズどんもあんな邪険に扱われたら見放して当然だぜ!
きゃさりん:ナマズどん、誰かさんに似てたからかな?
何だか過剰なまでに感情移入してますね(笑)
という事で、きちんと相手に何をして欲しいかを丁寧に伝える事が大事!
自分本位で相手に当たっては、いずれバチが当たるよ
なので、そうならないように皆さんも気を付けようね!
では、また次回♪

次回!
みちのく三人旅 福島編 【第2話】


何処か聞いたような、何処かで見たような…
そんな良く知る何かに似ている物語風の怪奇譚ですが、
寛大なお心で少しでもお楽しみ頂ければと思います!
2026.05.20 更新